星景撮影にチャレンジ!(その2:ポータブル赤道儀を使ってみる)

70D星景1 ガジェット

その1で星景撮影の基本的なことを説明しました。星をより綺麗に撮るには長時間シャッターを開放する必要があります。しかし星は動いているため長時間シャッターを開放すると星が線状に写ります。
星が点の状態でくっきりと撮影するには赤道儀という機械を使います。これは星の移動に合わせて動く機械で、それにカメラを接続するとカメラが星を追いかける動きとなり、その状態でシャッターを開放すると星が線状にならずくっきりとした点で撮影することができます。
赤道儀は主に天体観測で使われるので望遠鏡に接続するものは大きくて高価です。星景撮影用にはポータブル赤道儀が持ち運びも楽なのでいいでしょう。ここでは「ポラリエ」というポータブル赤道儀を使った説明をします。その他様々な種類の赤道儀があるので興味のある方はいろいろ見比べてもいいと思います。

ポラリエの使い方

ポータブル赤道儀のポラリエは電動で動作します。星の動きを追尾して動作するのですが、星と同じ動きをするために正しく設置する必要があります。それを「極軸合わせ」といいます。
地球から見ると星は北極星を中心に円状に動いています。ポラリエの動きを星の動きに合わせるには、ポラリエを北極星に向ければ動きが合います。こうやって合わせることを極軸合わせといいます。
北極星が見えているときはポラリエの本体にある北極星の覗き穴から北極星が見える位置にすることで合わせることができます。北極星がすぐに見つかればいいのですが、天体観測などで慣れていないと見つけるのは難しいと思います。
そこでポラリエ極軸望遠鏡やポーラーメーターを使います。ここではポーラーメーターを使った極軸合わせを簡単に説明します。

極軸合わせ

ポーラーメーターは以下のような形をしています。

ポーラーメーター

ポラリエのアクセサリシューに取り付けて、水準器・コンパス・斜傾クランプを調整して使います。
まず斜傾クランプで撮影場所の緯度経度によって設定されている角度に合わせ、水準器で本体を水平にし、コンパスで北向きに設置することで極軸合わせができます。北極星が見えなくても簡単に合わせることができます。精度は極軸望遠鏡よりも悪いですが十分に綺麗な撮影ができます。以下はポラリエの設置例です。

ポラリエ設置1ポラリエ設置2

これでより綺麗な星が点で撮影できるようになりましたが、星景撮影は星と景色が一緒に映るので、ポラリエを使って長時間シャッターを開けると星がより綺麗に撮れても景色がブレてきます。以下はポラリエを使っているときといない時の比較写真です。

ポラリエなし
ポラリエを使わず長時間シャッターを開放すると星が線状になる
EOS70D ISO400 24mm F2.8 90秒

ポラリエあり
ポラリエを使って長時間シャッターを開放すると星がくっきりするが景色がブレる
EOS70D ISO400 24mm F2.8 60秒

星だけを撮影するときはポラリエを使えばとても綺麗な写真が撮れます。星景撮影の場合はポラリエを使った場合でも景色が潰れない程度に長時間シャッターで撮影したほうがいいかも知れません。もしくは写真の加工ができるのであれば景色と星の画像を合成しても綺麗な写真ができるかもしれません。
初心者の方でも星景撮影に興味を持てるように基本的なことをできるだけ簡単に説明しました。

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