パソコン関連の2017年に起きたことを振返る

PC

現在ではインターネットの利用が水道・ガス・電気などの他の生活インフラと同じレベルで生活必需の一つとなっています。かつてインターネットを使うためには必ずといっていいほどパソコンが利用されていました。今はインターネットを使うためにスマホやタブレットが主流になっています。そしてパソコンは年々出荷台数を減らしています。

JEITA(電子情報技術産業協会)調べ

※2017年度は11月までの出荷台数となっています。

JEITA パーソナルコンピュータ国内出荷実績

このまま行けばパソコンが販売されなくなるのではないかと思うくらいです。

2017年もパソコンに関するニュースはいくつかありましたが、その中でも特に目立ったニュースを振り返ってみましょう。

Surface Pro4値下げ(1月16日)

2017年は年始早々Surface Pro4値下げのニュースがありました。グレードの高いものはかなりの値下げ幅だったと思います。

Windows Blog

値下げ幅は最大で78,000円はあったかと思います。

その後半年くらいして、New Surface Proが販売開始(6月15日)されました。

New Surface Pro

新しいSurface Proを販売するのに旧モデルの価格を下げたのだろうと思うのですが、下位モデルについては値下げ後の価格とそれほど変わりませんでした。

このSurfaceはノートPCとタブレットが1つの筐体で利用できる製品で、パソコン市場が縮小傾向の中、新たな一手を投じた製品となっています。ですが、今は他のパソコン製造メーカーも似た製品をさらに安価で発売しているので、Surface事業の売上は減少しているようです。これはSurface事業には良くないことですが、実はMicrosoftの中核であるWindows事業には悪くないことのようです。というのは、MicrosoftはWindowsを搭載したSurfaceのような2 in 1タイプのパソコンをメーカーにもっと製造してほしく、タブレット市場も含めてWindowsが拡大することを狙っているからです。

タブレット市場はタブレットの2016年出荷台数は1位がApple、2位がHuawei、3位ASUSとなり、タブレットのOS別では1位Android、2位iOS、3位Windowsです。つまりタブレット出荷台数もApple以外のものの多くはAndroid搭載のタブレットであることがわかります。パソコン市場ではWindowsが常に独占しているような状態ですが、市場が縮小傾向にあるのでこのタブレット市場でもMicrosoftはWindowsを拡大したいのです。

利用者目線で見ると、パソコンとタブレットが1台で使えるのはとても魅力的だと思います。現在パソコンでしかできないようなことやタブレットでしかできないようなことも、1台でできれば2台持つ必要はなくなります。

ただ、パソコンとタブレットは実際のところ使い勝手が違います。今のところパソコンとして使っていたアプリをタブレットの操作感覚で使うのは違和感があって少し使いにくく感じます。iOSやAndroidのアプリはスマホやタブレットを前提に設計されて動作するので、パソコンと同じ機能のアプリでもiOS版やAndroid版があり、使用してても特に違和感はありません。パソコンとタブレットが一体になって、この操作の違和感がなくなればかなりいい端末になるかと思います。

この着目点にAppleも遅れを取らないように、iPadでもパソコンと同じようなことができますと宣伝することが目立つようになってきました。

https://youtu.be/sQB2NjhJHvY

ただ、実際に利用した人からはMacと同じように使うには機能が足りないという声をたまに聞きます。

パソコンもタブレットも違和感なく1台で使えるようになれば、将来はどちらの名前もなくなりこのCMのように「コンピュータってなに?」という時代がくるかもしれませんね。

富士通PC部門売却発表(11月2日)

この秋に結構衝撃だったのは富士通PC部門の売却です。そして売却先はレノボです。以前にNECのPC部門もレノボに売却されています。東芝もPC事業を売却する方針でASUSと交渉に入っていることがニュースとなっています。パソコンを製造する国内の大手メーカーがなくなって来ています。今は鴻海精密工業の子会社となっているシャープももうパソコンは作っていませんし(再参入する意向はニュースになっているが)、ソニーもVAIO部門を譲渡していて、東芝がPC事業を売却すればパソコンを製造する大手国内メーカーはパナソニックだけになります。

これら日本のメーカーはこれまでも画期的なデバイスを開発してきているので、パソコン部門でも何か新しいものが出てくるのではという期待が遠のいていくようで悲しいです。

東芝のDynabookは世界初のノート型パソコンです

ちなみにTVもこれまでは世界のトップを走っていましたが、今はどんどん製造しなくなっているようです。。

ドン・キホーテMUGA ストイックPC販売(12月1日)

ドン・キホーテは昨年2016年にも2 in 1タイプの「情熱価格ジブン専用PC&タブレット」を同じ約2万円で販売しています。MUGA ストイックPCも同じ約2万という衝撃的な値段です。

MUGA ストイックPC

去年のものとの違いは、ノートPCであることと、画面のインチサイズが大きくなっていることくらいです。確かにパソコンに使われているハードウェア個々のスペックは他の製品よりかは低くメモリやストレージの容量も少ないですが、現在販売されているノートパソコンに搭載されている機能は一通り搭載されています。USB、SDカードスロット、Wi-Fi、Bluetoothなどなど。メールやドキュメント作成、インターネットサーフィンなどパソコンに負荷のかからない作業であれば使用しててもこのPCで苦にならないかもしれません。

こういったパソコンが多く売れるようになるとパソコン全体の価格水準も今よりさらに下がるように思います。

最後に

パソコンを取り巻く環境が明らかに変化して来ています。これまでのようなパソコンの使い方は一般的ではなくなり、会社の複雑な業務や大学の研究開発、アプリ開発などパソコンでないと成果が期待できない分野での利用に限られれていくのかもしれません。次の2018年はどのような変化がパソコン環境にあるのか楽しみです。

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