デジタル一眼レフを買ったら撮ってみたい星の写真。iPhoneやMacの壁紙なんかに使われている写真を見ると、「わぁ〜綺麗!自分でもこんな写真が撮れたらなぁ」と思ったことはあると思います。私もまだまだ初心者なので良い写真を撮るのは難しいですが、初心者でもある程度は撮れたので、星景撮影をはじめるきっかけになるような基本的なことを説明したいと思います。難しそうで億劫になっている人でも、そんなに難しくないのでやりはじめたらハマるかもしれませんよ。
最低限必要な機材
1.カメラ – デジタル一眼レフカメラがおすすめ
一般のコンデジ、スマホ、iPhoneのようなカメラでは撮るのはかなり困難です。イメージセンサーが小さいと星が写りにくいのと、シャッタースピードを長い時間で撮影する必要があるからです。イメージセンサーがどの大きさ以上だと撮れるのか一概には言えないので、長時間のシャッタースピードで撮影ができるのであれば試してみてもいいかもしれません。ただ、APS-C以上であれば問題なく綺麗に撮れると思います。あとで紹介するマイクロフォーサーズでも撮影できますが、カメラによっては多少ノイズが発生します。
レンズはF値の低いもののほうが綺麗に撮れます。ズームレンズでF値の低いものは高価なものが多いですが、単焦点レンズでF値の低いものは比較的に入手しやすいです。
2.三脚
価格や機能に関係なくしっかりと固定できる三脚ならどんなものでも使えます。三脚がなくても固定できれば撮れるのでは?と思う人もいるかと思います。確かに撮れなくはないですが、撮りたい風景を自由に決められないのと撮ることが難しくなるので三脚はあった方がいいです。
ということで、最低限のカメラと三脚があれば星景撮影はできます。おすすめですが、これに加えてレリーズがあると撮影がもっと楽になりますし撮影方法の幅が広がります。
撮影方法
一発で自分の気に入る写真を撮るのは難しいので、調整しながら何度も撮って気に入る一枚を手に入れましょう。また、撮影後にRAW画像を加工すればとても良い写真ができるのですが、これは撮影に慣れてさらに写真を良くしたいと思うようになってから始めてもいいかと思います。
1.星景撮影の基本
星空は暗い景色の少ない明かりを写真に撮るので、シャッターを長時間開ける撮影が基本となります。それにISO感度の設定を組み合わせて自分の気に入る一枚を撮影します。
シャッターを長時間開けるにはカメラをマニュアルモード(M)にしてシャッタースピードを設定します。シャッタースピードは10秒以上の設定で撮影できます。もしレリーズを持っていれば、バルブモード (B)にして、レリーズでシャッター開放時間を自由に制御します。ダイアルでバルブモードがないものは、マニュアルモードにして本体のシャッタースピード設定でバルブ モード(B)にすることができると思います。
(画像:Panasonic LUMIX GF1, LUMIX GX7, Canon EOS70D)
2.マニュアルフォーカスに設定
オートフォーカスの設定をマニュアルフォーカスに変更します。カメラによって手ブレ補正を設定変更できる場合はご作動を防ぐためにOFFにします。画像はパナソニックとキャノンのカメラですが、メーカーによって設定の変更方法が違うのでご自分のカメラの設定方法を確認してください。
(画像:Panasonic LUMIX GF1, LUMIX GX7, Canon EOS70D)
3.ピント合わせ
これがとても難しいです。現地で星を見てピントを合わせるのはほぼ無理です。もし現地で遠いところの景色が見える場合はそこにピントを合わせるか、明るい間に山などの遠いものにピントを合わせてマスキングテープなどで固定して、ピントがずれないようにしておきます。レンズに焦点距離の表示がある場合は∞マークに合わせることでもピントを合わせることができます。
4.撮影
天気と空の状況は撮影に大きく影響します。当然ですが晴れていて星が見えないと撮影できません。それと、月が出ていないことです。光害というのですが、星以外の光が邪魔をして撮影できません。月以外にも街灯などが近くにあると撮影できません。
天気と空の状況がクリアできればあとは三脚でしっかり固定して撮影します。シャッタースピードを10秒以上にしてもその間カメラが動かないように撮影します。以下の写真はPanasonic Lunix GF1/GX7で撮影したものです。マイクロフォーサーズのカメラでも割りと綺麗に撮れますが長時間露光時のノイズが多いです。そのため少し画像が乱れています。
参考:Panasonic LUMIX GF1 ISO800 20mm F1.7 9秒
参考:Panasonic LUMIX GX7 ISO1600 14mm F3.5 70秒
これは参考なのですが、星は移動している(地球は回っている)のでシャッタースピードの時間があまり長いと星が線状になって撮影されます。あえてそういった撮影をすることで綺麗な写真もとれるのですが、点の星をもっとしっかり撮りたい場合は、赤道儀を使って撮影します。つまり、カメラが星と同じように動いて撮影するので、長い時間シャッターを開けていても線状にはならない撮影方法です。以下の写真はCanon 70Dでポータブル赤道儀を使って撮影したものです。
参考:Canon EOS70D ISO400 24mm F2.8 180秒
ここは星景撮影の記事なのですが、実は上のGX7,70Dの写真は星景撮影ではなくて星空撮影になります。星と景色と同時に撮影して星景撮影となります。景色と同時に撮る際に、星をより綺麗に撮ろうとシャッターを長く開放していると星が線状になってしまいます。そこで赤道儀を使うと、今度は景色がブレて潰れて写ります。どういうことでしょう? この辺りの話を「その2」の記事で書こうかと思います。
星景撮影の基本的な撮り方はそんなに難しくないです。
みなさんもいろいろ試して気に入る写真を撮ってみてください。